子どものころに観ていたテレビ番組と、いまのテレビ番組とで変わったなとおもうのが、いまはずいぶん視聴者参加型の番組が減ったなあということだ。クイズ番組もいまや芸能人ばかりだ。
ゴリ押しという言葉があるが、もはや芸能事務所ぜんぶがぜんぶゴリ押しするものだから、素人の出る幕がなくなったということなのだろう。かといってじゃあプロばかりでテレビ番組そのものが成熟したのかどうかは疑問だが。
子どものころに好きでよくみていたテレビ番組のひとつに、ものまね番組がある。ものまね番組のタイプには大きく分けて2つある。芸能人が出るタイプと、素人が出るタイプである。
どちらも番組改編期にスペシャル番組としてよく放送されていた。小学生ぐらいのときの素人ものまねというのは、似ているかどうかよりは、いきおい勝負なところがあった。
いちばん印象に残っているのが、フジテレビ「とび出せものまね大作戦」という番組で柏原芳恵の「ハローグッバイ」をものまねした女子高生だった。あれはもはやものまねではないのだが、まさにいきおい勝負のネタだった。
それが許されるおおらかな時代であったのだ。それが80年代だった。フジテレビのほかにもテレビ東京でもこの時代には素人ものまね番組があった。あっちはたしか司会が山田邦子だった。まだ彼女自身にゲテモノの自覚があったころだ。
フジテレビのほうは、あのねのねが司会で、2人のあの独特のゆるさが当時大好きであった。90年代になってマーシーこと田代まさしがものまねされる方からする方になり、そして司会になっていった。
マーシーも好きなタレントの1人で、自分のなかではかっこいい大人の代表格だった。まさかのちに警察にパックンチョされて、ますます世間をお騒がせすることになるとは当時は思いもよらず。
今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。