KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

ワイドショーの申し子【松田聖子】

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 80年代という時代は、テレビワイドショーの爛熟期であった。それはすなわち末期には腐りかけていたということにもなるのだが。ハナっから腐っていたのかもしれない。そのようなワイドショーを松田聖子というヒトはうまく渡り歩いていた気がする。

  そのむかし(昭和58年)彼女がコンサート会場でファンからの襲撃を受けるという事件があった。そのときの生々しい映像が、ワイドショーなどで流された。そのときはちょうど「歌のトップテン」が中継予定だったのでカメラが回っていたのだ。



 スポーツ新聞には鉄パイプで殴られたと書いてあったが、事件の一週間後には何食わぬ顔で聖子は復帰していた。なんのことはない。鉄パイプではなく、工事用のプラスチックのパイプだったのだ。どうりでポコポコといい音がすると思った。

 ちなみに襲撃犯は埼玉県の19歳のファンで、ノイローゼを患い精神病院に入っていたそうで、外泊許可をもらって家族と東京で買い物をしていて姿をくらまし、持っていた現金3万5千円で航空券を買って、コンサートに行ったのだとか。

 その後少年がどういう処分になったのかわからないまま、何事もなかったかのように、聖子はトップアイドルへの道をまい進していった。さてはやりやがったな日テレとサンミュージック。いやいや憶測でモノをいってはいけないが。

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。