KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

てめぇの馬鹿さ加減にはなぁ、父ちゃん情けなくて涙が出てくらぁ!【あばれはっちゃくシリーズ】

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 子どもの時分における土曜日の19:30。いつも必ずチャンネルを「10」にあわせていた。はじまりはいつも小芝居で、見事にオチが決まったあとに、オープニングテーマは流れる。


 
 「あばれはっちゃく」は子供向けの小説シリーズで、1979年から1985年にテレビ朝日系列で毎週土曜日にテレビドラマとして放送された。毎回パターンは同じなのに、つい観てしまう。きっとそれだけ中毒性のあるドラマだったのだ。

 毎回主人公の桜間長太郎が何かやらかして、父ちゃんが長太郎をはり倒す。そしてお決まりの”てめぇの馬鹿さ加減にはなぁ、父ちゃん情けなくて涙が出てくらぁ!”のセリフ。父ちゃん!上のヒトにヘコヘコしてばかりいないで長太郎の真意わかってやれよ!

 毎回そんなことを思いつつ観ていた。こんなの今だったらまず放送できないであろう。それ以前にこういう子供向けのドラマじたいが民放でやらなくなってしまったし。
よくもまあ、あのころ長太郎は、6年間もはり倒され続けたものだ。

 でも東野英心さん演じる父ちゃんは、情に厚いヒトだった。そのDNAはみごとに長太郎にも引き継がれていて、どこかでつながっている。だから毎週毎週はり倒され続けても長太郎は心の底からは父に反発することはなかったのだ。

 このドラマシリーズの終了によって、NETテレビから続いてきたテレビ朝日の16ミリフィルム撮影の子供向け実写ドラマの歴史は終焉をむかえた。そして子どもたちはみんな、塾や習い事に行く(行かされる)ようになり、あまりテレビを観なくなった。

 父ちゃんはそれでも後に、「あばれはっちゃく」のような子供向けドラマの復活を願って活動していたそうだが、志半ばで鬼籍に入られてしまった。でも昭和50年代少年少女の多くは、父ちゃんの熱き情を忘れてはいない。そうだろみんな?

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。