前回、トライデントシュガーレスガムの話をしていて思い出した。あのころはシュガーレスのガムって珍しかったのだなあと。それがいまではコンビニどころかスーパーでもシュガーレスガムであふれかえっている。
それにくわえて実用的なのである。息をさわやかにしたり、眠気をさましたりと。遊び心はまったくといっていいほど見受けられない。ふうせんガムはいつの間に姿を消してしまったのであろうか。
そもそもガムの役割自体が、フリスクのような清涼菓子に取って代わられた。しかもそういった状況のなかで、ガムは内紛まで起こしてしまった。そして粒ガムが台頭していき、板ガムは片隅に追いやられてしまったのだ。
そういえばいまや道を歩いていて、嚙み終わったガムを踏んでしまうという失敗もほとんど無くなった。あれはなにげに精神的ダメージが大きかった。いちど踏むと、なかなかうまく剥がせないのだあれは。
だいたいヒトが踏みそうなところに噛んだガムをポイ捨てするニンゲンの心理というのはどうなっているのだろう。テロリストでも気取っているのだろうか。どこか物陰に隠れて踏んだこちらをみて、ほくそ笑んでいるとしたなら非常に口惜しい。
そういえば以前、女の子の髪の毛に噛み終わったガムをつけるいたずらを敢行したクラスメートもいた。髪の毛についたガムは、ピーナツバターをつければいいなんていうけど、そうそうピーナツバターがある家ってないと思う。
そのクラスメートの心理もどうなっていたのであろうか。もし好きの裏返しでやっていたとするなら、デリカシーというものがない。40半ばにもなって独身の男が女性にたいするデリカシーを語るなんて笑止千万か。
昔の失恋を悔やんでも仕方あるまい。気持ちだけでも甘酸っぱい想いにひたろうか。誰かオレンジガムをくれないか。
今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。