ちかごろよく、”おひとりさま〇〇”というコトバを耳にする。いわゆる独身中年の身としてはなにか沁みるコトバだ。ちかごろでは「ひとり二人羽織」なんていうのもあるらしい。
もはやチキンレースの様相を呈している。いわゆる度胸試しというヤツだ。ジェームス・ディーンの「理由なき反抗」ではないけれど、ある程度のところで降りないと崖から落ちる。
その”崖っぷち”のひとつに、”一人焼肉食べ放題”というのがある。食べ放題じたいは一人でも
行けるのだ。ココスの朝食バイキングは大丈夫である。サラダバーにごまドレッシングがないので、”マイごまドレ”を持参するぐらいだ。
だが1人焼肉がむずかしい。いくらお店側から”おひとり様大歓迎”だと告げられても。「そこまでして焼肉食べたいの?」と、自分の頭の中にいるバッタのヘンリーが問いかけてくるのだ。食べ放題がつくとさらに抵抗感が増す。
焼肉食べ放題の店には、カウンターがない。もし一人で行くとするなら、おのずとテーブル席につかなくてはならない。ほかのヒトは何人かで囲んでいるというのに、なんというムダづかいであろう。
やはり焼肉食べ放題のお店というのは、グループで来る(来られる)ヒトと、1人で外食をせざるをえないヒトとのあいだに、みえない結界のようなものをつくりだしている。(後半へつづく)
今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。