KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

羽生結弦くんの選択に俺の瞳がマーライオンになった


 直前負傷流血も羽生2位!王者の精神力見せた

 ◆フィギュアスケート GPシリーズ第3戦・中国杯最終日(8日・上海)

 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位の羽生結弦(19)=ANA=は直前練習で中国選手と激突、ケガをおして出場し154・60点、合計237・55点で2位。今季初戦で表彰台に立った。世界選手権4位のマキシム・コフトゥン(19)=ロシア=が合計243・34点で優勝した。

 直前の公式練習で閻涵(18)=中国=と激しく激突した羽生は、流血が確認されたため頭とあごにテーピングをし本番のリンクに登場。激突の影響からかジャンプでミスを連発、5回の転倒も4回転を2回認められるなど王者の意地のスケーティングを見せた。得点が出ると涙を流しながらキスアンドクライを後にした。



俺も芸人のはしくれであり、他に観ないといけない裏番組があっただろうとお叱りをうけるかもしれない。
だが俺は、羽生くんの動向をテレビの前で固唾を呑んで見守っていたんだ。
こればっかしはしかたないんだ。
なぜ観るのかと問われたならば、そこに選手がいるからだという陳腐な言葉しか出てこねえ。

ちなみにちきりんさんの言う「解説者の人」というのは、佐野稔さんのことだ。
確かにこの日の佐野さんは、羽生くんに対して、男だ男だと言っていたんだけどさ。
それにしても、みんな意外と佐野稔を知らないのな。
端正な顔立ちでカッコよかったんだぜ。

アスリートとしての為末さんの意見も重いよな。
ただ、気持ちの強い選手は、きっぱりと諦めることもできると俺は思う。
いろんな「気持ちの強さ」ってあるんじゃないかな。
あまりにも漠然とした感じの表現だよな、よく考えると「気持ちの強さ」って言葉はさ。

羽生くんはただただ本能が赴くままにリンクへと戻ってきたんじゃないかな。
傷だらけになりながらも、観衆の前に出て演技する。
その選択こそが彼の美学だったんだ。
五体が動くかぎりは、応援している人たちに自分の姿を見せたかったんだよ。

それが正解というわけじゃなくてもいい。
俺は彼の選択した答を応援するだけだ。
誰かに強制されたわけじゃない。
彼自身が選んだんだからさ。

俺という人間も勝手なもので、根性って言葉は嫌いだし、人に強要するのも嫌なんだけど。
でも傷だらけになってでも出てくる羽生くんを涙流しながら応援するしか出来なかったぜ。
本当に勝手だよな。