KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

平井堅はインド人に扮する前から

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平井堅がインド人を“装着”して「アタシは馬鹿で欲深」と歌わざるを得なかったワケ(今井舞の「週刊ヒトコト斬り」) 

 プロデューサーも新たに、刷新初の回となった『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)。結論から言うと、フジは最後の砦まで手放しちゃったんだなぁ、の感しきり。歌のうまい歌手たちの、歌を歌うということでしか表せない「業」というか、とにかく、腕に覚えありの歌手たちが、丁々発止競い合う、「歌の天下一武道会」ともいうべき祭典、それが『FNS歌謡祭』。だったのに。
なにをこの人は期待しているのだ。
というか期待しているフリして、なにをメシのたねにしているんだか。
「腕に覚えありの歌手たちが、丁々発止競い合う」 
FNS歌謡祭ってそんな番組だったか?

ていうか、ハードルを上げに上げてのドーン!と転ばせ目的で言ってるのかもしれんが。
みどころは生放送という状況のなかでどんなハプニングが起きるのか。
どんなゲテモノが出てくるかじゃなかったか。
いやそれも違うんだけど。

でも以前の壇蜜三谷幸喜のような飛び道具がもっと観たかった。
そのなかでも平井堅の兄貴は、魅了してくれた。
兄貴は圧倒的存在感をみせつけてくれた。
これについても、「週刊ヒトコト斬り」 はふれている。


インド映画のスターっぽいキャラクターに扮して新曲「ソレデモシタイ」を出した平井堅。不倫している女の悔しい思いのたけをぶちまけた内容。「アタシは馬鹿で欲深で強かな女」「チクショー!会いたい」「シャワーに打たれて叫ぶの」。いやー、歌詞の佇まいが、女通り越して、もう完全にオネエだよなぁ。女は一人称を「アタシ」って表現しないもの。
 
いまさらそこかい!?である。
それをいいたいのなら、2年前に兄貴が同じくFNS歌謡祭で歌った「告白」のときに書けよ。
曲が最高潮に達し、カタルシスに酔いしれているときに大挙して登場してきた、花笠音頭をおどるお姉さんたちをみたときにすでに気づいていろって話だ。 

でももう兄貴はそんなゲスな表現からはすでに超越している。
神域までたどりつこうとしているのだ。
インドに行くと様々な修行者がいるという。
中には右手だけを35年間上げつづける修行者もいるのだとか。

もう平井堅という人は性という人間の煩悩を超えたのだよ。
でもあえてわれわれに寄り添うために、愛の情念を歌っているんだよ。
兄貴が出る限りは見つづけるよFNS歌謡祭を。

ちなみに翌々日にテレビ朝日でやってたミュージックステーションにも兄貴は出ていたのだが、上のすみっこの方に1人でポツンと座り、タモさんに後光を指しつづていた。