KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

団塊ジュニアが子どもだったころの球技&格闘技事情を語ろう

子どものころはあったのに、いまは絶滅したもの。
おとこの子にかぎっていえば、それはGパンの半ズボンに野球帽である。
いま考えるとなんであんな格好をしていたのだろう。
でも当時はそれがふつうであり、疑問におもう余地すらなかった。

なにしろ当時は、冬でも小学生は平気で半ズボンをはいていたのである。
狂気の沙汰としかいいようがない。
それどころかたまにテレビで、どこかの小学校が冬のさなか半ズボンに上半身裸で校庭に出て乾布摩擦しましたなんていまのモンスターペアレントが見たら気絶するようなニュースがやっていたりもした。

おおらかな時代だった。
もう戻りたくもないけど。
そして時を経て2015年。
いまやおとこの子たちは、野球よりサッカーに夢中なのであった。

われわれが子どものころは、Jリーグがなくサッカーはローカルなスポーツであった。
毎日のようにテレビでは巨人戦がやっている陰で、サッカーはというと三菱ダイヤモンドサッカーByテレビ東京状態。
それからしばらくして、アニメでキャプテン翼が登場する。
そうして考えてみると、テレビ東京はすごい。

さらにもうひとつ、プロレスごっこというのも絶滅した。
むかしはプロレスが大人気で、おとこの子はよく教室のうしろで戦っていた。
初代タイガーマスクが登場したのが小学校3年生のころで、その空中殺法にテレビのまえで熱中する。
子どもを助けようとして車にひかれて死んだと思っていたタイガーマスクがふたたび現れたのだ。

あまりにプロレスごっこにみんなが熱中していたので、先生からお説教を受けたこともあった。
あれは本気でやっているわけではない、もしあんなに血を流しているのなら次の週にまた出てくるわけがないと言っていたのをいまだに覚えている。
それでもまたみんな、現実を飛び出し、夢の中をさまよい、プロレスごっこに熱中してしまうのであった。

掃除をサボってやったりもするので、かえりの会で女子児童に問題にされたりもした。
おんなの子はそういうところで、男ってバカな生き物だと学んだのであった。