KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

シンシアに新たな生命が宿る

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先週の放送を聴いたときには、女性人気の高かったピート・ベストの解雇によって、どんなファンの騒動が巻き起こるのかドキドキしたのですが、特にそっち方面でのアクシデントは、放送を聴くかぎりではなかったようです。ただ、ビートルズのホームタウンであるリバプールでは、音楽好きな若者の間で大きな話題になったようです。


地元の音楽新聞でもとりあげられ、メンバーは質問責めにあったり、揶揄されたりしたそうですが、自分たちのこれでよかったのだという信念を曲げずにマジメに頑張った結果、新メンバーのリンゴ・スターもじょじょにファンに受け入れられていったのです。


しかし実は、ジョン・レノンの最初の妻であるシンシアには、そんなことにかまっていられる状況ではありませんでした。彼女は当時、美術学校にかよっていたのですが、単位を落としてしまったのです。これは小生も大学生のときに経験したのですが、かなりショックなのであります。 


そしてもうひとつ、おおきな問題がおこりました。ジョン・レノンのこどもを宿したのです。 将来は美術館の職員になるか、美術の先生になるか、真剣にじぶんの将来を考えていたシンシアにとって、それは悩ましい大問題なのでありました。


というわけで、怒涛の展開なのであります。もっとピート・ベストについて、引っ張るかと思ったのですが。ちなみに補足しておきますと、ピートはビートルズを解雇されたあとは、自分のバンドをつくって活動しながら、公務員になります。 これはこれでまた幸せな人生といえるでしょう。転落の人生をおくっていなくてよかった。


そしてさいごに、このエピソードが書かれた本の著者である、ジョン・レノンの最初の奥様、シンシア・レノンさんが、先日お亡くなりになりました。心から哀悼の意を表しつつ、こういう貴重な文献を残してくれたことに、感謝したいと思います。来週の放送でふれられるかな。