自動車を運転していたら、対向車線の車が居眠り運転でセンターラインをはみ出し、自分の車に衝突した。そんな「もらい事故」で、過失がなかったことを証明できなかったとして、4000万円あまりの賠償を命じる判決が4月中旬に福井地裁で言い渡され、話題になった。
はみ出した車に衝突されたのに「4000万円」の賠償責任、判決は「理不尽」なのか?
賠償を命じられたひとが、どのような立場のひとなのかこの記事ではわかりませんが、4000万というお金はたやすく払えるお金ではありません。この4000万というお金を払わないといけなくなることによって、人生を破滅させる可能性すら出てきます。
だからこそ司法の側、特に裁判官は、立証できえることなのかなどを、慎重に精査しなければいけません。そうでなければ、けっきょくはお金を持っていて優秀な弁護士を雇える人間しか、民事裁判では勝てなくなります。
報道によると、2012年4月、大学生が運転していた車が、居眠りで運転操作を誤り、センターラインを越えて対向車に衝突。大学生の車の助手席に乗っていた男性が死亡した。
この車は死亡した助手席の男性が所有していたが、車の任意保険は家族以外の運転者を補償しない契約だったため、遺族への損害賠償がされない状態だったという。そこで、遺族は対向車側を相手に、損害賠償を求めて提訴していた。
こういう訴えをおこせる側というのは、けっこうな金持ちなのかなとおもうのです。これぐらいの神経をしているほうが、言葉はわるいけどガメつくお金を得るものなのです。こうなったらどっからでも金をせしめるほうが得策だと考えたのでしょう。
今回訴えられたほうは、注意をおこたらなかったことを証明せねばなりません。しかしこれは悪魔の証明というものなのです。 無知に訴える論証ともいいます。「霊が存在しないという証拠は無い。ゆえに、霊は存在する」といっているようなものです。
じっさいは、無いということを証明することは、在るということを証明するより難しいことなのです。そしてそういう悪魔の証明をゴリ押しできるというのは、そうとう優秀な弁護士なのだろうなと想像できます。
一般的な交通ルールに則って運転しているときに、居眠り運転している相手の車を瞬時に判断し、車線をはみ出そうとしている相手の車を避けることができるのか。運転しているにんげんがそれを避けることはその能力的に可能なのか。裁判官は、そこを精査しなければならないとおもうのです。
しつこいようですが、4000万円というお金をはらうことは、ほんとうにたいへんなことです。人生を左右します。 裁判官の質が、今回は問われているとかんがえます。