KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

板東英二の「男が弱い」に感じた違和感

東京MXテレビのバラいろダンディのニュースランキングで、第二位に「なぜ日本は女子スポーツばかり強い」という話題がランキングされた。サッカーは女子が4位で男子が52位、バレーボールは女子が4位で男子が21位など、現在日本人女性のほうが男性よりもランキングが上位である。


そこで火曜日のコメンテーターをしている板東英二がコメントを司会者に振られる。そこで彼が言ったことばが、

「基本的に女性のほうが男性より強い」

であった。


いっけん無難なコメントのようにみえる。しかしよく考えてほしい。たしかに日本においては、現状女子のほうがランキングは上かもしれないが、ということはほかの国では女性よりも男性のほうがランキングが上の国もあるはずである。


もうひとついわせてもらえば、サッカー男子の日本代表と女子の日本代表が戦ったら、はたして日本女子代表のほうが勝つだろうかといえば、まずそんなことはありえない。なにをそんな当たり前のことをいっているのかとツッコミを入れられるかもしれないが。


それぐらいこの板東の発言というのは、ふつうにみえて、じつは不条理なのだ。彼は精神的に日本女性のほうが日本の男性より強いということをいいたいのであろうが、前に書いた世界的な相対評価と、日本男子と女子同士の絶対評価と2つをかんがえて、あまりに不条理なのである。 


こういう発言がまかりとおるというのは、日本独自のものかもしれないとおもうのだがどうだろう。 あえて同性を貶すことで、異性に己のつよさをアピールするマッチョイズム。それがむき出しなのである。


ちなみにこのニュースの字幕には、その理由として「世界的に見ると環境がよい」「笑顔でプレーしても叩かれない」ということが書いてあって、他の出演者の発言には、男性のほうが上下関係が厳しくて今の時代にそぐわないというのがあった。


それにたいして坂東は、体罰がわるいと誰が決めたんだと発言している。もし男子スポーツが不振であるとするならば、えてして彼のこういう価値観みたいなものが原因ではないだろうか。こういうひとの意見が幅を利かせると、けっきょく男子はスポーツそのものを避け、ほかに活躍の場をもとめるのではないか。

そんな気がしてならない。