KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

不沈艦がきたぞ!




スタン・ハンセンをはじめてみたのは、土曜日の夕方にやっていた「全日本プロレス中継」であった。ハンセンはとにかくからだが分厚い。そのからだからくりだされる、ウエスタンラリアットのド迫力は衝撃であった。


ウエスタンラリアットは、己の腕を正面から相手の首に打ちつける、シンプルな、しかしシンプルがゆえに説得力のある技であった。ハンセンの腕は丸太のように太い。こんな腕を打ちつけられたらそうとうなダメージをくらうに決まっている。


ハンセンはその入場シーンも衝撃的だった。サンライズというスピーディーながらも重厚なサウンドのテーマ曲に乗って、ロープをふりまわしながら、猛スピードでやってくる。これもかなりのド迫力だ。


当時、プロレススーパースター列伝というマンガがあって、小学生だった小生は全巻持っていた。スタン・ハンセンも登場するのだが、その中で人間発電所、ブルーノ・サンマルチノの首にウエスタンラリアートをくらわせるシーンが登場する。


このウエスタンラリアートで、サンマルチノの選手生命を縮めたというマンガでのはなしを、子どもごころに信じていた。実際は試合中の事故でサンマルチノはケガをしてしまったのだが、当時はハンセンならやりかねないとおもっていたのだ。


サンマルチノの試合をリアルタイムではみたことはなかった。だが当時発行されていた小学館入門百科シリーズや、ケイブンシャのプロレス大百科などの子供向けの本でサンマルチノは強かったという情報は仕入れていた。だからこそ、ハンセンのおそろしさは子どもごころに実感できたのであった。


不沈艦というキャッチフレーズは伊達じゃない。