1月4日、おせちはまだ残っているけれども、カレーライスが食べたくなった。
その時、ふと考えた。
「おせちもいいけどカレーもね」って言葉は私の心の中に深く刻まれているのだなと。
私が子供のころは、正月はお店が休みのところが多かった。
おせちが本来の意味合いを持っていたのだ。
お母さんがお正月に何もしなくていいように、3が日はおせちを食べ続けていた。
飽きても仕方無い。
お店はどこもやっていないのだから。
しかしいつ頃からか、テレビコマーシャルで、
「おせちもいいけどカレーもね」
という言葉が聞かれるようになった。
声の主は、キャンディーズの3人で商品名はハウスククレカレー。
ククレカレーはレトルトだから買い置きができる。
おせちに飽きた私たちは次第にククレカレーを箱から出してお湯を沸かした鍋に突っ込むようになった。
炊飯器のふたを開けると湯気を立てたごはん。
会いたかったよ白いごはん…
あったかごはんにかけられたあったかカレー、それは至福の味であった。
それから30年が経ち、コンビニも増え、簡単に正月でも買い物が出来るようになった。
おせちも昔ほど深い意味を問われなくなった。
しかしおせちじゃないのが食べたいとなったらまずカレーだというのは変わらない。
キャンディーズに「おせちもいいけどカレーもね」を植え付けられたからに違いない。