KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

追憶のアマゾンライダー最終回

リアルタイムで観た仮面ライダーシリーズで、最初の記憶というのは仮面ライダーアマゾンだった。これまでの仮面ライダーに比べるとあまりにも奇抜であったアマゾンライダーは幼心にも印象に残った。ただ内容は覚えていなかった。


そのような仮面ライダーアマゾンだったが、機会があって最終回を観た。 ご存じのかたも多いだろうが、仮面ライダーは30分番組である。最終回ともなればいろいろ内容も詰めこまなければならない。


まず敵の組織がヘリウム爆弾を新宿のビルに仕掛けて東京の3分の1を破壊し、そこに拠点をおいて世界征服の足がかりにしようと企む。その計画を知ったアマゾンが敵アジトに忍び込む。そして敵のボスと幹部を倒す。ヘリウム爆弾を破壊し地球の平和は守られる。


この内容を30分、CMをのぞいて23分の間にやらなくてはいけないのである。今考えるとすごいことだ。しかしそれはそれ。端折るところは端折る。たとえば敵アジトに乗り込むときにワナが仕組まれているのだが、最後のワナは壁に囲まれ密室になった中、どこからか毒ガスが出てくる。


絶体絶命のピンチである。どこを探しても壊せそうなところはない。と思ったらスイッチがあって、スイッチを入れたら壁が開いて助かってしまう。 しょうがない23分しかないのだから。こんなところで時間をかけている暇はないのである。


敵の幹部のゼロ大帝はゼロ大帝で、爆弾をしかけた場所と時間を、なんの躊躇もなく当然のようにアマゾンに教えてしまうし。 でもって、ものの2,3分アマゾンと戦って、必殺技で倒されないで自分の仕掛けたワナで死ぬ。


それまで声のみだった最後のボスはボスで正体を明かしたとおもったら、おんなじ格好をした”真のゼロ大帝”だし。 予算がなかったのだろうけれども名悪役・中田博久を酷使しすぎである。その真のゼロ大帝も、ものの2,3分でアマゾンに真っ二つにされ倒される。


そしてヘリウム爆弾を止めなければならない。最後のヤマ場である。アマゾンはそこらへんにあるスイッチをチョップで叩き壊しまくる。すると爆弾は止まって地球の平和は守られる。ものの2,3分だったが。


最後の最後は唐突に、アマゾンはふるさとだからと船に乗りこみ帰ろうとするアマゾンライダー。仲間との別れのシーン。デッキで悲しそうな顔をして仲間を見つめる変身前のアマゾン。船は動いていない。でも物語はそこで終わり。予算がなかったのだろう。もちろん別れのシーンも、ものの2,3分である。


実に新鮮だった。脚本を書いたヒトもすごい。よくここまで詰め込めたものだ。