KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

幻の「およげ!たいやきくん」(前編)

「およげ!たいやきくん」は、昭和50年にフジテレビ「ひらけ!ポンキッキ」で放送された、日本一のシングルレコード売上枚数を誇る童謡である。そんなことは説明されなくてもわかっているって?それは失敬した。



たしかに「およげ!たいやきくん」はいい歌である。子どもの頃大好きな歌であった。いや、今でも大好きな歌である。しかしなぜ、この歌はこんなに売れたのであろうか。うちにも確かレコードがあったように記憶している。


よく言われるのが、子どもだけではなく大人にもアピールしたからということだ。”歌詞の内容が会社勤めを辞めて広い世界へ飛び出したいサラリーマンの気持ちを代弁していた”というのは有名な理由である。 


でもやはり一番は子どもにアピールできたから大人にも派生したというのがあるのではないか。子どもにレコードをおねだりされて買って、一緒に聴いていたら、あれ?これっていい曲じゃないというふうになって、大人の間でも話題になった。 そんな感じであろう。


あのポンキッキで放送されたたいやきくんのキャラクターのかわいさ。そのたいやきくんが迎える悲しい最期に対するシンパシー。アフロヘアーにもじゃもじゃのひげとメガネ、それに声量のある歌声が特徴的だった歌い手の子門真人。なにもかもが子ども心に大きなインパクトを与えたのだ。





YouTubeを検索していたら、こんなのが見つかった。夜のヒットスタジオだ。三波伸介と芳村真理。たいやき1個60円。もうなにもかもが懐かしい。本職は音楽出版会社に務めるサラリーマンだったのか子門真人。しかしなにが幻なのか。それはまた次回。