KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

幻の「およげ!たいやきくん」(後編)

実は最初ひらけポンキッキでは、「およげ!たいやきくん」は違う歌手が歌っていた。生田敬太郎というヒトである。レコードも当初はこのヒトの歌唱で売られるはずであった。それがわけあって子門真人に変わったのである。


というのも、カレは「およげ!たいやきくん」のレコード会社とは違うレコード会社と契約していたことが判明して、そのために歌い手を変えなければならなかったのだ。 後年になってカレの歌唱によるCDも販売されるのだが。


 


聴いてみるとこっちの方がしっくりくるような気がする。こうブルースっぽい歌唱というのだろうか。なにか哀愁をおびた歌声で、歌の結末からしてもこっち歌声の方が合っている。だからといってじゃあこっちの方で当時に売り出したらあそこまでヒットしたかというと難しいのだけれども。


しかしたとえヒットしなかったとしても、当時の子どもの心に残る隠れた名曲にはなっていたのではないだろうか。そんな気がするのだ。やはりあの大ヒットは子門真人の見た目のインパクトと声量が歌の物悲しさを和らげたことも大きいといえる。