KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

逆境の食卓

芸人仲間でもあるマザーテラサワさんに、イナゴの佃煮を食べさせてもらった。透明のパックにぎっしりと詰められたそれは、1個あたりが2センチほどの長さで、あからさまにイナゴであることが確認できた。


食に対する好奇心は止められず、とりあえず食べてみた。これが実においしい。塩気も甘味も絶妙でパリパリとした食感もとてもいい。小エビを食べているみたいだ。白いご飯と一緒に食べたらさぞかしうまいに違いない。聞くところによると長野のお友達からいただいたのだとか。


長野といえば、新幹線が通るまでは、東京から一番遠いと言われるぐらいにアクセスが悪いところであった。ましてや内陸県でもあるし、食糧事情はお世辞にもいいとは言えない。だからこそ蜂の子を貴重なタンパク源にするし、保存の効く野沢菜も生まれたわけだ。


逆境が生みだした知恵だな。昔に比べたら食糧事情もだいぶ改善されたのだろうけど、それでもまだ作っているというところに長野の意地と誇りみたいなものを感じる。そしておいしいというのがまたすごい。ぜひ今度手に入れて、あったかご飯でチャレンジしてみたい。