タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない。

〈タモリ倶楽部〉輝かない!ニッポンレコード大会

 レコード。高校生だった25年前までは普通に聴いていた。よくレンタルショップに少ない小遣いを持って借りに行ったものだ。それでもってカセットに録音していたのだ。CDが出始めたときも、これだけレコードは長年普及してきたのだからどうせCDなんてすぐ消えるとも思っていた。先見の明の無い高校生である。

 しかしレコードが長い歴史を持つのはたしかであり、そのなかで音楽以外のものも多数記録されてきた。あの玉音放送だって、最初はレコードに録音されたものだ。その歴史に埋もれた音楽以外のレコードを発掘し、それを聴こうというのが今回の企画だ。

 それを秋葉原にあるハーマンの視聴室で、250万のアナログプレーヤーと400万のプリアンプ、350万のパワーアンプに86万のスピーカーで聞いて、色んな賞をもうけて表彰するというのが、あまりにもバカバカしくてタモリ倶楽部らしい。



 【プライベート賞】(個人もしくは団体がプライベートプレスで作ったレコード)

「絹糸 心と心」

 アメリカで日本文化の学校を開いていたダイアナさんが制作したレコード。年賀状として日本の関係者に送ったのだとか。正直迷惑である。捨てるに捨てられないではないか。だからこそ今でも古レコード市場に出ているのであろうが。郵送に使われた封筒つきで、おたがいの住所が書かれているのがツボ。内容はダイアナさんが三味線を弾き、新年のメッセージを送るというもの。1954年に作られたものである意味貴重だ。

「東京都立石神井高等学校 第34回卒業記念」

 古道具屋に売っちゃダメだろ。こういう学校関係のレコードは多いらしい。ジャケットは映画「未知との遭遇」風の風景をバックに先生方の全身姿をコラージュしている。内容は校歌や応援歌だけではなく、名物先生の校内放送や学校の近くにある駄菓子屋ノダヤのおじさんのメッセージが入っている。そういえばうちの高校の近くにもこういうお店あったっけか。焼きうどんがおいしかったなあ。こういう思い出の品はやっぱ売っちゃダメだよ。


 【実用賞】 

「ことばと気持ちの表現」

 しゃべり方のハウツー物レコードは多く存在するらしい。中は懐かしいペラッペラの「ソノシート」。まあ本がメインだから。会社における電話の応対の仕方などが収録されている。良い例と悪い例で悪い例の女性の応対の仕方がSっぽいのがポイント。 


「名鳥の鳴き声 うぐいす/めじろ」

 なんのことはない。鳥の鳴き声なのだが、このレコードを雛のころから聞かせて覚えさせるのだとか。鳥用の教材である。


【生録賞】

「激録!!やまぐち号

 山口線の汽車の音である。それに”激録”とは。平常心で撮れよという話ではないか。しかしこのレコードこそ最高のスタジオとオーディオで聴く意味があったというものだ。


【企画賞】

「マリー・オリギンの占いレコード」

このレコードはマルチグルーブカッティングレコードといって、何本もの溝が平行して切ってあるため、どの溝が再生されるかわからない。 つまり針を置くとランダムでマリー・オリギンの占いの言葉が出てくるのだ。


【ピンク賞】

「お色気レコード」


スポーツ新聞の三行広告や大人のおもちゃ屋で販売されていたお色気レコード。聴いてみると・・・

「ねえ・・・あなた・・・今晩は上がいい?下がいい?」
「私たまには上になりたいわ・・・」
「えっ?今晩ではなく今から試してみないかって?」
「あらヤーネーあなたったら。私、寝台車の話をしてるのよ・・・」

誰がお色気レコードにアメリカのスタンダップコメディを入れろと言ったのだ馬鹿者。こうして昔の若者はダマサれて大人に成長していったのであろう。