KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

介護福祉士失格と言われても構わない

神奈川県川崎市の老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入居者3人が相次いで転落死した事件で、14年11月に87歳(当時)の男性入居者をベランダから突き落として殺害したとして、神奈川県警は2016年2月16日、元職員の今井隼人容疑者(23)を殺人の疑いで逮捕した。今井容疑者は警察の取り調べに対し、この事件の容疑を認めたほか、他の2人の殺害も認める供述をしたという。各紙が報じた。

川崎老人ホーム転落死事件、元職員を殺人容疑で逮捕 3人の殺害認める供述 
 
 犯人が捕まるまで長かった。ヘタしたら事故で片づけられるところだった。しかし介護の仕事をする者として、複雑な気持ちなのも確かだ。なにがどうして犯人をここまで追いつめてしまったのか。犯人1人の異常性だけで片づけられない。

 お年寄りを殺害して、犯人に何の得になるか。犯人1人がおかしいだけじゃなく、組織としての施設そのものがおかしかったのではないか。介護施設ってお年寄りのためにと言っては、現場の介護職員の人間性を踏みにじるようなところがある。

 介護職員が認知症のヒトに殴られたら、介護職員のアプローチが未熟だった、認知症の方にだって感情があるのだ、みたいなことを言う。殴られた介護職員の感情はまるっきり無視でフォローもせず。そういう人格の踏みにじりの積み重ねが歪みをうむのである。

 そして結局一番の被害者になるのが、力の弱いお年寄りなのである。たまにお年寄りに声を荒げてしまったりして自己嫌悪になることもしばしばある。ブルーハーツの唄ではないが、弱い者たちがさらに弱い者を叩くのである。強い者は縦割り社会の中で下に責任を押しつけ、それが連鎖している。

 NHKのニュースウォッチ9でこのニュースを取り上げたとき、河野憲治キャスターが”施設は介護職員の管理を”とか言っていた。公共放送のエリートさんにとって、しょせんは介護職員なんていうのは家畜と一緒らしい。ニンゲン様に楯突かないように管理しておけ豚小屋の主人ということか。