KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

サザエさんを観なくなってどれぐらい経つのだろう

今月6日に放送された『サザエさん』(フジテレビ系)で、磯野家の冷蔵庫を勝手に物色し、タラオやワカメが楽しみにしていたジェラートを食べてしまったノリスケ。これにネットでは「さすがハイエナさん」「クズ過ぎるわこいつ」と炎上していたのだが、この騒動を受け、『サザエさん』の脚本家・雪室俊一氏が怒りをあらわにし、「ノリスケはクズではない!」と否定した。しかしそのコメントに対し「ネタにマジギレすんなよ」「クズはクズだろ」と、またネットでは大きな反響が出ている。

サイコパス・堀川は安泰!? 『サザエさん』脚本家、ハイエナ・ノリスケ炎上に大激怒もネットでは安堵の声!? 
 子どもの時分は日曜日はもちろんのこと、火曜日の19時からやっていた再放送まで観ていたというのに。いつの間にか観なくなってしまった。サザエさんを観なくなったのは大人になった証明なのであろうか。 だがネットで炎上ということは、けっこうな大人も観ているのであろう。

 雪室俊一先生の名前はその名前のインパクトから子どもごころに焼き付いていて、今でも覚えていた。しかし昭和44年の放映からずっと脚本を担当してきた先生とネット民がこんなところでシンクロするなんて、なんという邂逅であろうか。 

 それにしても長谷川町子先生亡きあと、アニメ版サザエさんはここまで変貌をとげていたのか。まさかサザエさん一家がジェラードを食べるだなんて。これも時代の流れといえばそうなのかもしれない。

 しかし堀川くんって何者だ。どこから出てきた。雪室先生発なのか。”『毎日綺麗な花嫁に会うために牧師になりたい』と、小学生にしては独特過ぎる性癖をクラス内で発表」、「波平の写真を自分の机に貼りつける、という“枯れ専”な一面」、「ひよこに『わかめ』と名付けて、その卵を『ワカメ』に食べさせようとする、疑似的“カニバリズム”の強要」、「壁のシミを弟だと言い、『ヘイキチ』と名付けてキャッチボールをする、常用者的な思考」”

 ってこの設定、長谷川町子先生も草葉の陰で泣きやしないだろうか。長谷川先生が天国に旅立たれたからって、ちょっと”死人に口なし”という言葉が脳裏を横切ってしまうのだが。名作も作者が亡くなるとかなり自由に設定を変えられてしまうのだな。

 (参考文献)『サザエさん』ハイエナおじさんノリスケまた炎上!! 「ベッキーと狩野以上の逸材」「こんなやつがタイコの旦那……」と非難轟々