KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

フランク三浦

 なんなのだ。今から低音の魅力でムード歌謡でも歌うのか。ひとり職場の食堂でメシを食べていて、テレビからその名前を耳にしたときに、そう心の中でつぶやいてしまったのだが、どうやら正体はこういうことらしい。

スイスの高級時計「フランク・ミュラー」のパロディー商品名「フランク三浦」を商標登録した大阪市の会社が、この商標を無効とした特許庁の判断を取り消すよう求めた訴訟の判決が12日、知財高裁であった。鶴岡稔彦裁判長は「イメージや外見が大きく違う」として、「三浦」側の勝訴とする判決を言い渡した。

 特許庁は、ミュラーの申し立てを受けて昨年9月、「ミュラーへの『ただ乗り』だ」として、登録を取り消した。訴訟でもミュラーは「語感が極めて似ている」「信用や顧客吸引力への『ただ乗り』目的だ」などと主張した。

 だが判決は、「呼称は似ているが、外観で明確に区別できる」と指摘。「多くが100万円を超える高級腕時計と、4千~6千円程度の低価格商品の『三浦』を混同するとは到底考えられない」と述べた。

フランク三浦が勝訴 フランク・ミュラーの主張認めず
 
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 ちなみに左が”フランクミュラー”で、右側が”フランク三浦”である。あきらかにデザインもパクっている。いわゆるパロディというやつか。ただパロディだからといえば許されるのか。そこのところが何だかすっきりしない。

 かたや高級腕時計。かたや非防水で、気温が30度以上になったら品質を保証しないと明記している安物である。「多くが100万円を超える高級腕時計と、4千~6千円程度の低価格商品の『三浦』を混同するとは到底考えられない」 ってそういう問題なのか。

 結局なにがすっきりしないのか。要は大阪人の「俺たちはシャレがわかっている」的なものの押し付けが鼻につくということに尽きる。それでデザインをパクったあげく非防水で気温30度以上で壊れるかもしれないものを4千円から6千円で売ってしまうそのずうずうしさ。そこが許容範囲を超えているのだ。