KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

2つのタイプに分かれるファン

 ウルトラクイズは、「知力」「体力」「時の運」といわれるだけあって、クイズの知識だけでは勝てないものである。この番組はクイズを競うというよりも、クイズを通した人間ドラマを観る。それがウルトラクイズの醍醐味だと思っているんだ。

 

 とはいってもそれは僕個人の見解であり、ウルトラクイズは純粋にクイズのハイレベルな攻防を観たいというヒトも中にはいる。好みはそれぞれあっていい。どっちのタイプに分かれるか。わかりやすい例だと第13回と第14回どちらが好きかによる。

 第13回は大学のクイズ研究会出身のヒトたちが上位に残り、なおかつ優勝者もさまざまなクイズ番組に出場し優勝したヒトである。また準優勝のヒトは、その後フジテレビ系列「FNS1億2,000万人のクイズ王決定戦」を2回優勝した。

 かたや第14回はクイズ研究会出身のヒトはいなかった。学生も準決勝までいたけれども2人ともクイズ番組出場経験のない、ごく普通の気のいい兄ちゃんたちだった。そして決勝はクイズ番組出演経験のない郵便局員とエンジニアの社会人対決だったんだ。

 いまでもネットなんかでみられるのがこの第14回に対する批判で、挑戦者のクイズの知識が低レベルなどと言われている。でも僕なんかは14回の上位進出者は年齢もバラエティに富んでいて、ニンゲンとして面白いタイプのヒトが多くて好きだった。

 またこの第14回というのは、アメリカ合衆国内約9000キロをバスで横断するのが特徴だった。それまでは各チェックポイントを飛行機で移動していたのだ。時にはカナダや南米に行ったりしていたが、第14回はバス移動なのでアメリカのみ。しかも各チェックポイントは観光名所とはいいがたい。

 特徴的なのは第11チェックポイントのエリーだろう。おそらく多くのヒトがどこそこ?って思うにちがいない。ここには「冒険学校」があり、冒険家の植村直己さんが日本にも同じような学校を作るために学びにきたというところだ。

 冒険のための訓練をやるなんて、クイズとまったく関係ないじゃないかと批判する向きもあるかもしれないが、せっかくアメリカ大陸を「冒険」しているのだから、こういう趣向があってもいいと僕個人は思っている。これも一つの人間ドラマであり、ウルトラクイズの醍醐味だ。

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。