KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

ただたまにふっと”家族”というものに憧れている自分がいる(大島千春)

ゼノンコミックス「いぶり暮らし」第1巻より


 



いぶり暮らし  1巻

いぶり暮らし 1巻




 



  ヒロインはカフェ店長26歳。同棲3年目。相手は2コ下のフリーター。そんな2人が1日いっしょにいられるのが、共通の休日でもある日曜日。その休日をまったりと過ごしながら、燻製づくりを楽しむ。

 かんたんに設定を説明するとこんなかんじかな。グルメマンガは数あれど、この作品は燻製に特化しているね。二人の関係も燻製も、のんびり時間をかけて燻してってところかな。

 カレシのほうは、眼鏡をかけた優男で、生命力がないんだな。フリーターなんだけど、なにかを目指しているというわけでもないみたい。そこが読者の感情移入を妨げるところになるかもね。まだ1巻しか読んでないから、これからまた展開は変わっていくのだろうけど。

 燻製のほうは、玉子・チーズ&ソーセージ・たらこツナのディップ・おにぎりとアジの干物・カレー・ベーコン・子持ちシシャモに枝豆。じつにいろんなものが燻せるんだよね。器具もいたってシンプル。 絵が丁寧でシズル感もある。

 調理以外のところは、日常生活の何気ない1ページが描かれているのだけれども、その先の展開が気になる。ヒロインの親がフリーターの彼に、フレンドリーに接しているところが、またこの先どうなるんだという思いに拍車をかけるんだよね。

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、俺は君の傍にいる。