KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

ユーモアを理解できない人間とはつき合いたくない。ピンハネをされたっていいけど俺達が笑いながら作った歌に怒る奴とはもう二度と会いたくないよ(忌野清志郎)

小学館文庫刊「瀕死の双六問屋」より


  俺が忌野清志郎RCサクセション)の曲を聴きはじめたのは高校生のころだった。当時は比較的よく聴いていた歌手のなかの1人もしくは1組という存在だったんだ。他にはなにを聴いていたっけ。

 ビートルズはもちろん聴いていた。あと洋楽ではビーチボーイズか。それとQUEENね。日本のアイドルも聴いていたよ。本田美奈子が大好きだったんだ。あとは槇原敬之なんかよく聴いていたよ。節操がないよね(笑)

 高校生でお金がないので、よくレンタルレコードのお店に行って家でカセットテープに録音していた。あとはラジオが頼りでね。当時はエアチェックなんて言葉もあってさ。英語でいえば聞こえはいいけど、やってることは貧乏くさいよね。

 忌野清志郎というヒトは、本人が望むか否かは別にして名声のあるヒトだ。名声があれば黙っていてもまわりに金はついてくる。けれどもカレは黙らなかった。おかしなことにはおかしいと言うヒトだった。

 清志郎というヒトは威張っているヤツにも敢然と立ち向かうヒトでさ。でも威張っているヤツってそういうヒトに対して強権というものを発動するわけ。世の中には事情があっておかしいと言えないヒトもいる。そういうヒトは威張っているヤツの強権に従うしかない場合もあるんだ。

 そういう状況の中にあって、おかしなことをおかしいと言って大変な思いをすることはあるけれども、そういう姿をみて励まされるヒトも中にはいるんだ。すべてをマネすることはできないけれども、生き方にその影響を反映することはできたりする。

 俺もそのむかしは誰も受け取ってくれない”反原発”のビラを配っていた若いころがあってさ。徒労かなってくじけそうになったけど、それでも多少なりともカレの影響を受けた部分があってやってたわけさ。この手の話すると長くなるな。今はやめておくよ。

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、俺は君の傍にいる。


 



瀕死の双六問屋 (小学館文庫)

瀕死の双六問屋 (小学館文庫)