KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

日比谷公会堂

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 ひさびさに日比谷に行った。20年ほど前に近くの銀行で働いていた。そして仕事が終わると、日比谷公園内にある図書館に行って、閉館時間の19時になると出て、千代田線に乗って葛飾区にある会社の寮に帰るという生活をしていた。

 いまは日比谷公会堂も工事をするということで、閉館してしまった。老朽化だ耐震工事だで、またまるで違う建物になってしまうのだろうか。こんな鉄筋コンクリートで作られ80年経ってもしっかりしている建物にほんとうに建て替えが必要なのだろうか。

 日比谷公会堂といえば、昭和35年に時の社会党委員長・浅沼稲次郎が演説中に、17歳の山口二矢少年に暗殺された場所だ。刺されても逃げずに少年と向き合った浅沼さん、自決した二矢少年。事件そのものはもちろんあってはならないことだが、昔のヒトには独自の気概があった。

 なんてことを考えつつ、日比谷公園を散策していると、芝生にいろんなヒトが集まって、お弁当を広げて食べていた。子供たちはみんな楽しそうだ。こういう家族の時間って貴重だなとおもう。子供たちの顔が物語っている。

 50年以上前に暗殺事件があった建物と、家族がくつろぐ場所がある公園。それがいっしょになっている場所。東京らしいといえば東京らしい場所だ。あと金魚の展覧会とワインの試飲会もやっていたっけ。

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。