KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

屋根の上の歌うたい【岡本南】

 

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 そのむかし、テレビのゴールデンタイムで、女のヒトの裸がふつうに流れていた時代があった。というか昭和という時代そのものがそういう時代であった。いまでは信じられないが。

  ドラマ「時間ですよ」もそのうちのひとつであった。舞台が銭湯ということもあって、必然性のないところで、とにかく女のヒトの裸が、わっさわさとまるでイナゴの大群のように現れたのであった。

 ちなみに「時間ですよ」というのは、オープニング恒例で営業時間になったということを、従業員が女将さんに告げる合図の言葉である。すなわちドラマのはじまりを告げる合図でもあるというわけだ。

 このドラマシリーズは平成元年まで、女将さん役の森光子以外の出演者を変えつつ、続いてきたのだが、必ずひとり女の子の従業員がオーデションで選ばれて出演していた。浅田美代子なんかもそのうちの1人だ。

 たいていその従業員役の子は屋根の上に上がって歌を歌っていた。とりあえずオーデションのときは、歌唱力の審査というのはなかったようで、浅田美代子のときは画面から映し出される世界が、アニメ「ドラえもん」に出てくるジャイアンリサイタルのようになっていた。ホゲ~♪

 そして昭和末期。「時間ですよふたたび」というドラマが登場した。このときにオーデションで選ばれたのが、岡本南という子であった。当管理人と同い年で、彼女もまた劇中に屋根の上で歌っていた。



 なにかこう歌と本人のイメージがあっていない。格好はアイドルなのだが、その衣装では隠し切れないトッポさが垣間見える。どうみても小林亜星作曲、テイチクレコードというかんじではないのだ。

 彼女はアイドルとして3枚ほどCDを出してのち、R&Bシンガーに転身して音楽活動を続けているそうだ。やはり時間ですよの従業員役にしては、顔が整いすぎていたか。浅田美代子ぐらいの多少のイモっぽさが必要だった。

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。