KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

一流悪玉レスラーの条件【ジプシー・ジョー】

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 たべこさんのブログを拝見していたら、ジグソーのスカイハイのYouTube動画があって、あまりの懐かしさで感動してしまった。スカイハイそれはあのプロレスラー、ミルマスカラスの入場曲でもある。

 



 曲にあわせて躍動するマスカラス。だが今回は彼が主役ではない。この動画で最初に彼と戦っている、みるからにワルなレスラーについて話をしたい。”ミルマスカラス”と戦う”みるからにワル”、彼の名はジプシー・ジョーという。

 ついこないだお亡くなりになったなあと思っていたら、今月の15日でちょうど一周忌だった。1975年に初来日してから、国際プロレス全日本プロレスで常連外国人として活躍した。

 当時の国際プロレスのパンフレットでは「スペイン北部のバスク地方を放浪するジプシーの若きリーダーであったが、仲間に迫害を加えた白人をジプシーの "血の報復" の掟によって殺害し、国外に逃亡してマット界に身を投じた」などとされている。

 もしそれが本当だったら、国際指名手配されて、とっくに捕まっている。けれどもこのギミック(リング上のキャラクター)が妙にハマる悪役レスラーであった。この動画のジョーの動きには、悪玉に必要な要素がたくさん詰まっている。

 ひとつはえげつない反則攻撃だ。ジョーといえばパイプいす。思いっきりそのパイプいすを振りあげてマスカラスに襲いかかる。そして失敗する。この失敗というのも”お約束”として大事な要素である。

 そしてもうひとつ大事なのが、打たれ強さである。悪玉は悪ければ悪いほど、善玉の怒りを生む。そしてその怒りの攻撃は激しさを増す。一流の悪玉というのは、その激しい攻撃に耐えなくてはならない。

 その点でジョーはどうだ。パイプいすで激しく殴られても平気の平左である。逆にパイプいすが壊れるぐらいだ。それらを受けきり、最後にきっちり3カウントをとられる。これぞまさにプロレスの様式美というヤツである。

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。