KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

”あれ”から13年

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 TBSに現存する最古の映像資料。それが昭和33年10月31日に放送された「サンヨーテレビ劇場」のドラマ「私は貝になりたい」である。そしてドラマ終了後に、生放送でコマーシャルが流れた。

 

 それがこの洗濯機のコマーシャルだ。「私は貝になりたい」というドラマは、戦争の惨たらしい姿を描いたドラマであるが、それをおもうとこのコマーシャル冒頭の”あれ(終戦)から13年”というコトバもズシリと響く。

 

 それこそこの当時は、テレビを持っているのも裕福な家庭に限られていただろうし、洗濯機もおいそれと買えるシロモノではなかったであろう。それでも終戦から13年で、ここまでこられたのだから、日本人の底力はすごいとおもわされる。

 

 ちなみにこのコマーシャルで洗濯機の説明をしているのは、吉村光夫アナウンサーである。僕らの世代のヒトだと「夕やけロンちゃん」のロングおじさんといったらわかりやすいだろうか。

 

 若き日のロングおじさんが紹介するサンヨーの洗濯機。まだ脱水機もない。そこから脱水機ができて二層式になり、いまや洗濯機といえば全自動洗濯機からドラム式の時代になった。

 

 けれどももうサンヨーの洗濯機そのものは生産中止になり、ロングおじさんもすでに鬼籍に入られてしまった。13年であそこまで変わるのだから、60年も経てばそれこそいろんなものが変わっていく。戦争にたいする人々の想いもしかり。

 

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。