KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

実は”うんこ”なんて介護の仕事にとってさしたる問題ではない

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 介護関係の仕事をするようになってけっこう経つ。名ばかりのポンコツではあるけれど、40過ぎになって介護福祉士の資格もとった。たまにヒトに聞かれることがある。”シモの世話キツくないですか?”と。

 

 結論からいうと、楽だとはいわないけど馴れる。臭いも大丈夫だし、なんなら触ってもなんともない。あとで洗えばいいのだもの。仕事だし。これが家族だったら辛いだろうけど。というか悲しいというか。

 

「介護。殴られても噛みつかれても、死ねだの暴言浴びせられても笑顔で対応しなければならない。一番精神的に来るのは、弄便。壁や寝具や本人も便まみれになる。心を無にして、処理している」

「特に辛い職種」ランキング1位は「介護」 「保育士」と「不動産営業」も上位に入る | キャリコネニュース |

 

 なのでこういう”ウンコケース”に遭遇すると、むしろ笑ってしまう。そして”さあいっちょやるか”とおもむろに”業務”を開始する。大変は大変なのだが、これで精神的にまいることはない。

 

 介護の仕事におけるキツさというのは、実はべつなところにある。それはこの業種の独特の体質とでもいおうか。これを変えていかないと、前向きに介護の仕事を志すヒトたちのこころを折りつづけることになるだろう。

 

暴言・暴力以外に、セクハラや介助拒否といった「困った行為をされたことがある」人も99.0%と、ほぼすべての人が経験している。
中には「居室に入った途端、壁に押し付けられ、胸を触られたり、下着を外されそうになった」という30代の女性からの訴えも。「それを外から先輩職員が笑いながら見ていた」というから、辛い話だ。
しかしベテラン職員と思われる40代男性からは、
「暴力と言われれば暴力だが、認知症の周辺症状だから、暴力というより職員の対応の悪さから暴力になったケースがほとんど」
という指摘もある。

介護職員の98%が「利用者から暴言・暴力を受けた」と回答 「噛まれた」「下着を外されそうになった」という人も | キャリコネニュース

 

 断言する。この”ベテラン職員と思われる40代男性”は現場にいるニンゲンじゃない。おおかた介護のデスクワーカーである。もしほんとうに”ほとんど職員の対応の悪さ”が原因だと思っているとしたら、ニンゲンそのものをナメていると言うしかない。

 

 そんなにニンゲンって簡単なものではないのだ。”対応”みたいな技術論で解決するなら苦労はいらないのである。そんな小手先のテクニックの問題だったらなぜ99%のヒトが”困った行為”を経験するのか。

 

 結局は要するに逃げ口上なのである。そういうことを言って現場の職員を突き放して終わり。こういうヒトをヒトとも思わないような体質が、最終的に人員不足を招くのである。

 

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。