いまでも”衝撃映像”を特集した番組はやっているけれども、平成初期ぐらいまでは、いまとは比べ物にならないほどの衝撃映像が、”ゴールデンタイムのお茶の間”にむけて流されていた。
いまの”衝撃映像”はまずヒトが死ぬ映像というのは流されない。それがいいのか悪いのか議論されることのないまま、それが”常識”であるということに、なし崩しでなってしまった。
【閲覧注意】
これは1963年のベトナムで、時の政府からの仏教徒への弾圧に抗議し、焼身をもって自決した僧侶の映像である。憎しみの連鎖を断ち切らんとする強固な意志のあらわれ。ニンゲンというのは、死に際してここまで意志を貫徹できるものなのかと。
子ども心に、この火に包まれながらも拝みつづける姿をみて、そう思わされたものだ。時を経て現在でもこうして動画サイトに残っているというのも、教訓すらも放棄してしまったいまの世の中に対するアンチテーゼなのかもしれない。
今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸がつづくかぎり、僕は君のそばにいる。