KOTOBASM

言葉を使うようになって、ヒトは”時”を作った。それまではただ目の前にやってくる”生”を生きるだけだったのに、言葉と時制を持ったがために、ヒトはやがてくる死というものに怯えるようになった。

心霊治療


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 そのむかし、まだ時代は昭和50年代ごろ。あれは日本テレビ木曜スペシャルだったと記憶している。ある東南アジアの国で、心霊による治療をする場所があって、その治療風景を番組で放送していた。

 

  悪いところに手をおくと、だんだん体のなかに入っていって、やがて血液とともにどす黒い物体、ようするに毒素みたいなものを取り出して病気を治すという施術である。当時は子どもだったから、ほんとうにそういう治し方があると信じていた。

 

 それからしばらくして、大人になった僕は、ジム・キャリー主演の「マン・オン・ザ・ムーン」という映画を観にいった。実在したアンディ・カウフマンというコメディアンを主人公にした作品である。

 

 アンディ・カウフマンは35歳という若さで肺がんを患い亡くなってしまうのだが、最後の方で心霊治療を受けるシーンが出てくる。結局は鶏肉を使ったトリックだということがわかってしまい、笑い泣きするというものだ。

 

 子どものころに信じたまま、やがてテレビでは心霊治療は扱わないようになってしまい、そのまんま映画を観るまで意識することなく、僕は大人になってしまった。いまおもえば罪づくりな番組であった。もちろん僕もバカな子どもであったのは、いうまでもないが。

 

 心霊治療そのものの話題は聞かなくなったが、いまだにスピリチュアルと称して、医者でもないニンゲンが”治療”をしている。断言するが、人知をこえた方法で、ニンゲンがニンゲンを治癒することはできない。今年はそれを痛感した年であった。

 

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸がつづくかぎり、僕は君のそばにいる。