KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

片輪に毛唐っていちいち規制していたら

22日放送の「あさイチ」(NHK総合)で、女優の市原悦子放送禁止用語を連発する事態が発生した。

(中略)

市原は「日本昔ばなし」の中でも、特に「やまんば」の話が気に入っているそうだ。 周囲の人間からは、「やまんば」が特に評判がいいのだという。
市原はこの好評の理由について、「いいですか? こんな話して」と断った上で独自の考察を披露した。 彼女は「やまんば」について、「世の中からずれた、外れた、落ち込んだ人が山に行って。
例えば“片輪”になった人」「人減らしで捨てられた人」「外国から来た“毛唐”」など、 疎外された人たちが原点なのではないか、と独自の解釈をしてみせた。
そうした「やまんば」は強い反骨精神と憎しみを抱え、人に対して激しい攻撃性をみせるが、 一方で「心の通じた人とはこよなく手をつなげる」とし、市原は「その極端が好き」なのだと熱弁した。

(中略)

ところが番組終盤の「ダーウィンが来た!」コーナーに移る前、有働由美子アナが 「ここでひとつ、お詫びがあります」と切り出し「『プレミアムトーク』の中で『片輪』『毛唐』という発言が ありました。体の不自由な方や外国人の方々を傷つける言い方でした。深くお詫びいたします」と頭を下げ、謝罪していた。  

このシーンは仕事の最中にチラチラとだが、目撃した。じっさいの放送をみたら、さすが悦子さんはうんちくが深いなあって感心するから。もちろん本人は誰かを傷つける意図などなかった。それは記事を読んでもおわかりいただけるであろう。


しかしじっさいもんだい、NHKに抗議の電話をかけたひともいたにちがいない。ただほんものの「片輪」や「毛唐」のひとが抗議したわけではなくて、ただNHKに文句をいって溜飲をさげたいひと限定であろう。さいきんクローズアップ現代の問題もあったし弱みをみせている部分がNHKにもあるから。


まああれだな、まだまだいまの技術では、電話したにんげんがちゃんとNHKの受信料を払っているか判明する電話器なんて無理だから、どんな受信者のこえも真摯にうけとめなければいけないのだろうけど。 


しかしこんなことが大問題になるようなことになったら、 「片輪」に「毛唐」というただそういう単語を発しただけで、いちいち自主規制していたら、テレビそのものが「おし」になってしまう気がしてならないのである。