KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

グルメの嘘 (新潮新書)

グルメの嘘 (新潮新書)グルメの嘘 (新潮新書)
(2009/11)
友里 征耶

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目次

第一章 痩せこけた日本のフード・ジャーナリズム
第二章 グルメ界の罪と罰
第三章 飲食店業界の常識・非常識
第四章 悪いのは店ばかりじゃない
第五章 日本二根付かない、ミシュラン・ガイド
第六章 ならば、良い飲食店の条件とは?


著者は「自腹・覆面」のグルメ・ライター

なので決して店となあなあにならず客としての目線で評価している。
辛口だが、間違った事は書いていない。
それゆえに業界内では目の敵にされているとか。
ただグルメというのはしょせんは俗人のもので、味よりも一緒にいるおねえちゃんが喜ぶ有名な店かどうかが重要だったりするものでしょ。


「自腹・覆面」ゆえの人間味のなさ

「マニュアル」としてはすばらしい本。
ただ、マニュアルゆえに人間臭さが無い。
覆面なのはいいとして、文章に書いている人のその人らしさが伝わってこないのは面白味がない。
山本益博は俗人の最たるもので私は嫌いなのだが、あの口ひげを生やした、ねちゃりとした粘着質なイメージがあるから感情移入して彼の著書を読むことができる。


「覆面」の危険性

一方で私は著者がネット上で山本益博叩きをしているのを目撃する。
お店にタダメシを要求したといった類いだ。
それが事実であっても覆面ライターが言及するのは卑怯だと断言する。
大義を語ったり巨大な敵に対抗するのに覆面はありだが、個人攻撃はなしだろう。
また「覆面」に私が危惧を感じるのは、「覆面」である事を利用して複数の人間が束になって一人を攻撃しやしないかという事だ。
著者がそうだとは言わないしそうでないことを願う。

失敬。