KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

白球の記憶

子どものころから野球は好きで、プロ野球六大学野球高校野球とよく観ていた。時は流れて2015年の年末、偶然YouTubeである高校野球の試合を見つけた。昭和58年の夏の甲子園である。長野商業と沖縄の興南高校が相まみえたのだが、いまだに覚えていた。

 

興南高校のエースは後に阪神に入団しマリーンズでもプレーした仲田幸司である。そうか。この試合に投げていたのか。さすがプロ野球選手になっただけあって、その豪速球に長野商業のバッターはなかなか手が出ない。


しかし本当に印象に残っていたのは、相手である長野商業のピッチャーであった。最近あまり見かけなくなったメガネをかけた高校球児。そしてさらに華麗なアンダースローの投球フォーム。このピッチャーのおかげでこの試合は脳裏に焼き付いていたのだ。


それにしても手書きのスコアボードといいラッキーゾーンといい本当に懐かしい。あとY高こと横浜商業なんかも。それに情報が少ないNHKのテロップ。今はランナーが何塁にいるかとか、球速も出るのを思えば、隔世の感を禁じ得ない。