小学館「なぜなに学習図鑑シリーズ・ロボットと未来のくらし(昭和45年)」より
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しかしあれだね。昭和40年代に未来予想図を描いたヒトというのは、二足歩行のロボットにこだわりがあったんだね。たしかに俺もロボットといえばこれなんだ。四角い顔に丸い目で二足歩行の。
いまとなっては未来のものだったはずなのが、アナクロになってしまったけどね。富士山に登れる機械というのはあるけれども、こんな二足歩行じゃなかったよ。キャタピラカーの強力版といったところだったね。
二足歩行のロボットといえばASIMOを思い出すけど、何年か前にテレビで見かけたとき、階段で思いっきりコケて自力で起き上がれなかったからね。やはり二足歩行のロボットが山を登るのはまだまだ先かな。
だいたいだよ。ロボットに荷物を持ってもらって登山しなきゃなんないのならはじめから登山すんなって話じゃない?登山ってニンゲンが最低限生きられる装備を背負って歩くことに意味があると思うんだよね。
今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、俺は君の傍にいる。