KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

光GENJI以前SMAP以降

image


紅白「ヒット曲ないのに選ばれている人何人もいる」 小倉智昭の「不満」は誰を指しているのか 
「ぼくはコブクロとゆずがなんで落ちるのかって。分かんないっすよねえ。あれだけ人気がある2組、NHKにもゆかりがあると思うんですけどね。オリンピックのテーマソング歌ってたりしますよね。これまあ、NHKの貢献度が一番重要だとは言ってますけどね」 

紅白歌合戦というのは、CDが売れれば出られるかといえばそうではない。
この人は入れておかないとみたいな普遍性というのもある。
演歌歌手なんてまさにそう。
そこはみなさまのNHKであるからしてやはりさまざまな世代に楽しめるものでなくてはならない。

年寄り相手の仕事をしているのでよくわかる。
年寄りの「NHK歌謡コンサート」支持率というのは、本当にすごい。
CDの売り上げランキングとは違う世界のところで盛り上がっている。
ちまたのボーイエンドガールズには知る由もない世界がそこにあるのだ。

和田アキ子がなんで出られるのか。
疑問におもう人はたくさんいるだろう。
しかし、彼女以上に老若男女すべてにおいて知名度の高い歌手というのもそうそういないのではないか。
いまだによくテレビにも出ているし。 

和田アキ子が出つづけなければならないほど、国民的歌手というのは少なくなったのだ。
今やポップスと演歌は厳密に棲み分けられている。
むかしはいっしょの歌番組にでていたというのに。
光GENJISMAPを境にしてその姿は変わってきたようだ。

夜のヒットスタジオという歌番組があった。
この番組はアイドル歌手もロック歌手も演歌歌手も出ていた。
それが普通であり当たり前のものとして映っていた。
世代的にちょっと大人の香りがする歌番組であった。

夜ヒットが終焉をむかえたのが1990年。
光GENJIは出ていたが、SMAPは出ていない。
メンバーの世代はそれほど違いのない2グループなのだが。
ちょっとした違いが境遇を分けた。

それからジャンルの垣根を越えた歌番組そのものが消えてしまった。 
光GENJIの人気も下火になり、SMAPもしばらく不遇のときを過ごすことになる。
そしてSMAPが不動の人気を獲得したころには、歌番組そのものが観るものを選ぶ時代になってしまった。
紅白も視聴率が低迷し、存続の意義が議論されるようになる。

いまは当時よりは紅白も持ちなおしてきたといえるだろう。
けれども去年さぶちゃんが紅白卒業宣言をして、また1人国民的歌手が紅白から姿を消した。
しかしそんなのカンケーねえとばかりに、大島優子がいきなりAKB48を卒業すると宣言したのが印象的だった。
あと10年経ったら紅白歌合戦はどういう顔ぶれになっているのだろう。

その時はもうそのときの流行歌手ばかりで、30何年連続出場なんて歌手やグループはいなくなっているかもしれない。 

いや、それでも和田アキ子だけは、あの鐘を鳴らすのはあなたを歌っていたりして。