KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

サザエさんのたがが外れてしまっている件

人気アニメ『サザエさん』に登場するキャラクター「堀川くん」が、あまりにも変人すぎるとネット上で話題となっている。

サザエさんとは、1946年から1974年まで朝日新聞などで連載された4コマ漫画である。TVアニメは1969年に放送がはじまり、現在でも放送はつづいている。作者は長谷川町子さん(1920-1992)で、お亡くなりになった1992年に国民栄誉賞を受賞している。


と簡単にふり返ってみたのだが、長谷川さんが帰天されて20年以上の時がたった今、どうもアニメのサザエさんがなにものかの手によってゆがめられている。サザエさんであって、もはやサザエさんではない。世界観がくずれてしまっている。 


ワカメちゃんのクラスメイトである堀川くんは、小学3年生の男の子。5月10日放送の『サザエさん』では、その堀川くんが、磯野家の床下に忍び込み、そこでオタマジャクシを飼っていたという、なんとも理解不能なエピソードが登場した


(堀川くんが)親戚が営む養鶏場から1匹のひよこをもらったときは、「わかめ」と名づけて、「卵を産んだら真っ先に人間のワカメちゃんに食べてもらいます」と少々屈折した願望を吐露している。


(堀川くんが)子どもの形に見える塀のシミを自分の弟だと主張。「ヘイキチ」と名付けてキャッチボール(塀にボールを投げつける遊び)をしていたこともあった。


磯野家の庭に忍び込んでいたことをサザエらに咎められた際には「今度は見つからないようにするよ」と発言した


などなど枚挙にいとまがない。というかぜんぶ堀川くんじゃないか!この原作には登場しない堀川くんと脚本家によってサザエさんの世界観は崩壊させられようとしているのである。ちゃんと長谷川町子美術館は把握しているのであろうか。


これには天国で長谷川町子もピーナッツを喉に詰まらせ「んがぐぐ!」って言っているに違いない。まあとかなんとかで、時のながれもあって脚本家のひとも若くなっていくわけで、サザエさんもそれなりに変わっていくのだろう。


だが、せめてサザエさんの家の黒電話と昔ながらのテレビだけは変えないでいただきたい。そう切に願っている。正月はちゃんとテレビの上に、鏡もちは置けるようにしてもらいたいのである。