KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

「動員の革命」 津田大介著

読書感想文シリーズ第1弾
さあ今回はこちら。
注目の審議会などに出席した際に、そこでの発言を逐一、Twitterに投稿する「Tsudaる」という言葉の語源になった人だ。
Twitterは、言葉という物の情報としての速効性を再認識させてくれる。
映像は訴えかけるものは多いが、時として余計なものまで観えてしまい混乱を招く。
言葉はシンプルに掻い摘んで伝えるが故にわかり易く届く。
この本を読んで私が気になった事、とても勉強になった事を2,3記録しておく。

マスメディアは情報をウェルダン、すなわちよく焼いてから提供します。対してソーシャルメディアはレアでもいいからとにかく早く食卓に出そうとするメディアです。
(中略)
ツイッターの性質上、デマは必ず発生してしまいます。(中略)しかし情報の流れる速度が速い分、情報の確度が低くなるのはしょうがないことです。重要なのは、拡散した3日後や1週間後に、その情報をもう一度検索してみること。そうすると、流した情報がデマだったのか、そうでなかったのかが分かります。それで間違っていたらその都度訂正する。そういうことを繰り返すなかで情報の怪しさを事前にある程度判断できる情報リテラシーが身につき、怪しい情報に引っかかることが少なくなっていくのです。

津田さんにとってはあまり触れたくない事かも。
しかし切っては切れないこの問題。
津田さんがどうこうじゃなく、悪意を持ってデマを流して混乱しているのを横目にしほくそ笑んでる馬鹿どもの問題。
韓国が震災記念のTシャツを作ったとか、言っていい事と悪い事がある。
こういう事を書く馬鹿はその善悪の区別がつかないから、一人の人がもし傷つけられたとしてもまったくそういう事への想像力が働かないのだ。
だから手の施しようが無いので、多くいる善良な受け手のリテラシーに委ねるしかないのだ。
ちなみに私は、この手の情報は実績と知名度のある人や団体の情報しか信じない事にしている。
もちろん市井の人々のつぶやきに正しい情報はあるだろうが、なるべく俯瞰で見ようと心がけている。

(対談における宇川直宏さんの発言)
民放はどこも番組制作予算を削減されていて、その世界で一番重宝されているのは

フリースタイルのできる芸人

ですよね。なぜなら、笑いはゼロ円で生み出す事ができるから。
(中略)
演出が施されていないスリリングなバイブはアドリブからしか生まれない。

(中略)

有吉さんはフリースタイルの批評性に活路を見出したのだと思います。つまり「あだ名の命名というDISり芸。DISにはリスクが付き物だけど、毒舌キャラは視聴者の批評wp代弁する役割として、いつの時代も求められ続けているでしょう。彼はそれを演じていますよね。

ここまでお笑いを的確に分析し尚且つ愛がある発言をする人も珍しい。
ひな壇芸人をただ批判したり嘲笑するだけの人間が多いだけに。
これは我々お笑いをやる人間にとって参考になるのではないだろうか。

さらにもう一つこれもお笑いやる人間にとってとても役に立つ言葉を一つ。

ちなみにツイッターでイベント等の告知をする際、実は1,2週間前に告知してもあまり意味がありません。一番効果的なのは、1日前と当日のイベントが始まる3,4時間くらい前です。そのタイミングで告知するのがおすすめです。

ただこれは頑張ってある程度の影響力を持たないと成立しない。
ツイッターでなるべく情報発信してフォロワーを集める事も必要だ。
でも大きな可能性を秘めているのは確かだ。

動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ)動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ)
(2012/04/07)
津田 大介

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