KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

本のプロレス



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今日Twitterでこんな会話をしていて思い出した。


私は子どもの時分プロレスが大好きでテレビでよく観ていた。
今の若い人は信じられないかもしれないが、その頃はプロレスが金曜の夜8時に放送されていたのだ。
それに付随して、プロレス関係の本も読んでいた。
このつぶやきにあるプロレススーパースター列伝もその一つである。
プロレススーパースター列伝は、梶原一騎原作のマンガ本で、色んなプロレスラーの物語が展開されていた。

”黒い呪術師”アブドラ・ザ・ブッチャー
”不沈艦”スタン・ハンセン
”大巨人”アンドレ・ザ・ジャイアント

などなどの往年の名レスラーばかりである。
その頃はまさか話を面白くするために盛っているとは知らず、信じ切っていた。
別に梶原一騎は私たちを欺そうとしたわけではない。
各のレスラーがなぜこういう風に大成するまでに至ったかという本道は逸れずに、あくまで私たちに伝わりやすいようにああいう風に書いたのだと信じている。
ブッチャーが最大のピンチを迎えて、最後のとどめを刺されようとした時、

血のしたたるステーキ!
(この試合には賞金がかかっていて、ご飯を満足に食べられない不遇のブッチャーは賞金をもらってステーキを食べたかったのだ)

と叫びながら大逆転の地獄突きを対戦相手(ディック・ザ・ブルーザー)に喰らわす。
これなんて今考えれば嘘なんだけれども、ブッチャーのプロレス人生を象徴しているセリフではないか。

プロレススーパースター列伝を読んだおかげで、私はブッチャーを好きになった。
テレビでは憎たらしいまでに反則技で日本人レスラーやザ・ファンクスを苦しめたブッチャーも陰ではこんなに苦労していたんだという目で観ていたのだ。
なにかプロレスを観る私の目にこのマンガは深みを与えたのだ。

それじゃ失敬。


プロレススーパースター列伝 (1) (講談社漫画文庫)プロレススーパースター列伝 (1) (講談社漫画文庫)
(1996/09)
梶原 一騎、原田 久仁信 他

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