タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない。

また今年もこの時期がやってきた【太田裕美・九月の雨】

 この独特な大人の雰囲気。歌の題名を紹介するテロップの手書きのかんじ。バックバンドの譜面台に記された”8”というフジテレビの当時のロゴ。いかにも昭和なあのころのテレビである。

 

 

 というわけで9月である。夏の暑さもひと段落したかんじで、なぜかしらないが街ではもうハロウィンなどと気の早いことをいっている。9月はなぜこんなにもないがしろにされてしまうのであろうか。

 

 「九月の雨」は1977年9月に発表された、太田裕美の9枚目のシングルである。作詞は松本隆で作曲は筒美京平のゴールデンコンビ。その名曲が、類まれなる歌唱力と儚い雰囲気を持ちあわせた太田裕美によって歌われているというのはいわば運命であるといえよう。

 

 ただこのころの太田裕美は、のどの調子が悪くて、本来の歌唱力が発揮できなかった。いろいろなところの学祭で高いキーの曲を歌いすぎて、ポリープができてしまったのだ。

 

 それを心配してのことだろう。もう曲がはじまっているというのに声をかけてしまう井上順がなにかいい。井上の軽妙洒脱さと、芳村真理の洗練された雰囲気。このコンビは夜のヒットスタジオの華のひとつであった。

 

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。