KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

ケンちゃんは魔法の小箱にいる兄ちゃんだった



 最近、巷ではまたレコードの人気が復活しつつあるらしい。実は半年ぐらい前に中古のレコードプレイヤーを購入していた。昨今では音楽のみをダウンロードして聴くのが主流だが、クラッシックなんかはレコードの方がハマっている気がする。

 高円寺の中古レコード店で購入したものである。あまりの懐かしさについ買ってしまった。レコードジャケットの写真の少年をご存知だろうか。岡浩也さんといってTBSでかつて放送されていたドラマ”ケンちゃんシリーズ”で主人公を演じていたヒトである。

 カレは二代目であるが、我々の世代はこちらの方がお馴染みではないだろうか。パン屋であったり、カレー屋であったりと一年ごとに舞台は変わるのだが、主人公であるカレは変わらずに、テレビという魔法の小箱でちょっと年上のお兄さんを演じ続けていた。

 ドラマではケンジ君という弟が出ていたのだが、この子がちょうど同い年ぐらいだったはずだ。チャコちゃんも含めて、みんなでお店のお手伝いをしていた。今だったらそんなお手伝いなんていいから勉強していい大学に入りなさいとか言われそうだ。

 いやもちろん今でもお店の子に生まれてお手伝いをする子もいるのであろうが、いかんせん個人でやっているお店じたいが減ってしまって、そういう子が目立たない存在になってしまったのだきっと。

 あのころの男の子はみんな、Gパンの半ズボンを履いていた。なぜか知らないが冬でも。デニムと言わないでほしい。あくまでGパンなのである。ケンちゃんも例外ではなく、いつもドラマの中で半ズボンを履いていた。

 そんなことを思い出すと、ああ自分も年をとってしまったのだなあと感じる。 月並みだけれども。なんか最近、老眼がはじまってしまったようで遠い目。