KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

いまどき「タイガーマスク」かよ【伊達直人とちびっこハウス】



 新しい「タイガーマスク」。土曜日の深夜に放送ということは、大人たちを対象にしているということなんだろうけど。僕は子どものころに大好きで、よく初代のタイガーマスクのアニメ再放送を観ていたけど、現代になって新・タイガーマスクですなんて言われても、食指が伸びないのであった。

 僕のなかでのタイガーマスクは、マンガ作品の第一作と、1969年に放送開始されたアニメ、そして実際にプロレスラー佐山聡が扮した初代タイガーで終わっている。いまさら新しいタイガーマスクですとかいわれてもというハナシだ。いい思い出なのだから、ほっといてくれと。過去の栄光にすがるなとおもうわけだ。

 というのもタイガーマスクという存在は、昭和44年当時だからこそのものだと考えるからだ。孤児院「ちびっこハウス」があって、ジャイアント馬場アントニオ猪木が同じ「日本プロレス」という団体にいるからこそなのである。

 タイガーマスクである伊達直人が、ジブンを育ててくれた孤児院を助けるために、悪のプロレス組織「虎の穴」のギャラの半分を組織に納めるという掟を破ってしまい、またジャイアント馬場の説得で正義のレスラーになり、虎の穴と戦う。そして馬場と猪木が一緒の団体にいるというのは、これまたひとつの夢のある物語だったのだ。

 それをまったく時代も価値観も違う現代に、タイガーマスクというビジュアルだけ復活されてもなあというハナシなのである。それをいったら佐山タイガーだってっていわれるかもしれないが、佐山タイガーもあくまで別物で、ただそれでも身体能力と他のライバルのレベルが高かったのだ。だから観ていたにすぎない。

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。