死後の世界というのを、われわれは見たことがありません。現世において生きているからです。見たことがあると主張するヒトもいます。でもそれは100%そのヒトの想像上の世界です。脳内における想像上の世界が、誰にでもあてはまると思ったら大まちがいです。
その想像を正当化するために、あたかも自分は他のニンゲンとは違う特別な存在なのだというヒトもいますが、想像する能力は誰しもが持っているものであり、そこにヒトの上下というものは存在しないのです。
そして現世に生きるニンゲンのなかには、天国と地獄の存在など死後の世界を引き合いに出して、”死んだら天国に行ける”であるとか、”これをしなければ地獄に行く”というようなことを言うヒトがいます。
でもイエスもブッダも天国や地獄があるとは一言も言っていません。聖書のなかにも天国や地獄の存在は書いていないのです。ただ神の国とあるだけです。宗教というものは、人類の歴史においてどうしても歪められてしまうものなのです。
その矛盾をついてヒトはまた新興宗教を興そうとするのですが、しょせんはヒトがつくり、ヒトが神であるという根拠のない主張をするだけなので、あらたな矛盾が生まれてしまいます。
だから私は宗教について、大学などで勉強する場合、その原始にまず注目します。それが原則だからです。そこに死後の世界はどのようにあるのかというヒントが隠されているものだと考えます。
今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸がつづくかぎり、僕は君のそばにいる。