空からながめたメガロポリスには、多くの高層住宅地が、緑の森と広場にかこまれて、美しくレイアウトされている。よく見ると、緑の広場には、プール、サッカー場、陸上競技場、それに

朝日新聞社「2001年の日本(昭和44年)」より


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  俺は昭和40年代を中心として書かれた未来予想図が大好きでね、関連の本を何冊か持っているんだ。「2001年の日本」はその中の一冊というわけ。あのころは21世紀という区切りに明るい未来を想像していたんだろうね。

 昭和44年といったらアポロ11号が月面着陸した年でもあったわけで、きっと21世紀になったら月にヒトが棲むなんて考えていたんじゃないかな。実際は月に棲めるようになるのはおろか、宇宙船が行くことすら無くなってしまったけどね。

 川本信正さんはスポーツ評論家で、スポーツは2001年にどうなっているか予想したわけだけど、こうして読んでみると、未来予想図っていうのは何がなくなるかよりも何ができるかを予想することがむずかしいというのがよくわかるね。

 でもこの川本さんの予想はよくできているんじゃないかな。ここまで完璧ではないけれども高層住宅地はタワーマンションという名前で増えているよね。ただスポーツする場所という点では残念ながらという感じかな。

 そこまで現代人はスポーツに対する意識が高くならなかった。プールや陸上競技場にサッカー場とスポーツのなかでも手をつけやすいものばかりなんだけどな。場所の問題もあるけどね。まさかヒトが東京へ一極に集中にするとは思いもよらなかっただろう。

 もっとバランスよく都市機能が全国にばらけていれば、少子高齢化で日本の人口が減少せずに、川本さんの想像した世界に近づいていたのかもしれないよね。あくまで結果論だけどさ。

 でもそういえばむかしよりスモッグは格段に減ったと思わないかい?夢の島はあんなにきれいになったし。多摩川だってそうとうきれいになったよね。ただやはり東京にヒトが集まりすぎだよ。スポーツどころの話じゃない。

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、俺は君の傍にいる。