12月になった。それは冬のはじまりでもあり、その年の終わりの月ということでもある。街はクリスマス一色になり、音楽もクリスマスソングが流れているが、もうひとつ12月らしい音楽がある。
そう。「第九」である。ベートーベンの交響曲第9番を、日本人は親しみをこめて「第九」と呼ぶ。そして近ごろでは演奏を聴くだけにとどまらず、アマチュアの合唱団として演奏に参加するヒトもいるらしい。
僕の父もそのひとりで、千葉県文化会館でおこなわれたコンサートに参加した。千葉県文化会館は1967年に開館した文化施設で、日本音響家協会の優良ホール100選にも認定されている場所でもある。
1787席いっぱいに入ったお客さんの前で歌うことができた父は幸せものである。そのまま燃え尽きてしまうのではないかと、心配になるほどだ。まあおそらくまた新たな野望を引っさげ、なにかやってくるのであろうが。
今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸がつづくかぎり、僕は君のそばにいる。