KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

西小中台団地

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 甥っ子のお誕生日会に呼ばれて、千葉に行ってきた。稲毛駅からバスに乗っていく。稲毛は中学のときに住んでいたところの最寄り駅でもあったわけだが、中学時代もイジメとかあって、あまりいい思い出というのがなかった。

 

 ただ四十も半ばになってくると、そういった嫌な思い出よりも、その土地にたいする懐かしさのほうが、おもいのほか強くなっていることに気づく。しかし駅前は30年の時をすぎ、ずいぶんと変貌をとげていた。

 

 駅前にあった西友がなくなっている。5階建ての白い建物は、かつて1階から5階までが店舗で、6階がボーリング場だった。それが現在では店舗であった部分が、パチンコ屋やゲームセンター、居酒屋チェーン店、カラオケ店などになっている。

 

 いまそういう複数のテナントの入っているビルというのは、いろんなところの駅前に存在するけれども、実はむかし、大型のスーパーが入っていたなどというところがあるのかもしれない。

 

 弟の家の前の道路をはさんだところに、西小中台団地がある。造成されたのが昭和47年というから、僕とほぼ同い年ということになる。ベビーブームのころだ。人口増加のさなかで入居希望者もさぞ多かったことだろう。

 

 そんな団地の真ん中に、今ではさびれてしまった感のある店舗群があった。むかしは洋菓子店であったお店も、なんらかの事情があって洋菓子販売をやめたのだろう。ちょっとした駄菓子屋さんのようになっていた。マンガ雑誌なんかも売っている。

 

 店舗の前には10円ゲームが置いてあった。コンセントが抜けているので、故障しているのかと思ったら、子どもがやってきてコンセントを入れてゲームをして、終わったら抜いていた。なるほど。お店と団地の子どもとの間で、暗黙のルールがあるらしい。

 

 こういうあたりまえのようにあるホソボソ感みたいなのが、外部のニンゲンである僕にはとても面白くみえた。

 

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸がつづくかぎり、僕は君のそばにいる。