昭和39年、東京12チャンネルの開局によって、VHFの1から12までのチャンネルはすべて埋まってしまった。だが。まだテレビで使える周波数帯があった。それがUHFだ。
ただUHF帯というのは、電波の特性上VHFよりも波が飛ばない。またテレビというのは、音声のほかに、画像もあるので情報量が多く、どうしてもラジオと比べると飛ぶ距離も限られてくる。
ということで、UHFのテレビ局はローカルに限られてしまうのだ。そういうわけで、関東には東京、群馬、栃木、埼玉、千葉、神奈川の各県に1局、UHFのテレビ局が存在する。なぜか茨城県だけがない。
となるとおのずとCMスポンサーもローカル色が強くなるし、広告費も安くなる。となるとどうしても、VHFのテレビ局よりは番組の製作費も安くなってしまう。これはいたしかたない。
ちなみに幼少期を過ごした千葉の千葉テレビ放送は、カラオケ番組なるものが得意で、デジタル放送に移行したいまも、「チバテレビカラオケ大賞」という素人参加型番組が放送中だ。番組がはじまって、かれこれ36年になる。
そしてこの「純子のカラオケ道場」も、その千葉テレビのエッセンスがふんだんにおりこまれている。場所は松戸のラドン温泉。いまでいうところのスーパー銭湯というヤツである。
おそらく宣伝にもなるから、会場はただで貸している。素人参加だからギャラもいらない。参加賞として、スポンサーから提供された賞品をあげればいい。UHFの千葉テレビらしい低予算番組である。
そしてその千葉テレビが作った番組を、これまた低予算で買って放送するテレビ神奈川。その逆もまたしかり。関東のUHF局はこうしてもちつもたれつで共存していったのである。
今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。