そもそも介護福祉士の受験資格に、従来の実務経験3年にくわえて、実務者研修450時間をとしたのは、国側のヒトからではなく、日本介護福祉士会側からの要求である。
前の記事で、「受験者が本当に介護福祉士を目指す人に絞られたためで、これを機に質を上げなければならない」という日本介護福祉士会会長・石本淳也氏の発言は、それがあってのものだ。
この石本会長の発言に反論したい。では人手不足で長時間働いて研修を受ける余裕のないヒト、家庭の事情で研修を受ける余裕のないヒトなどは、介護福祉士を本当に目指していないとでもいうのかと。
「介護対談」第17回(前編)中村淳彦×石本淳也氏|みんなの介護ニュース
石本会長はとあるインタビューで、いまの介護福祉士は質が低いと発言している。だから質をあげないといけないとも発言している。このような発言は現場にいない、デスクワーカーの活動家がいっていいものではない。
そもそも資格としての専門性が打ち出せていないといっておきながら、なぜ質をうんぬん問えるのか。たんにデスクワーカーな活動家の、現場のニンゲンにたいするマウンティングではないのか。そういいたくもなってくる。
国家資格というのは、活動家が団体を作って利権をむさぼったり、おなじ職種のなかで上下関係をつくるための道具ではない。あくまで資格というものは、どう社会に貢献できるのかが、いちばん問われる。
なにが社会貢献なのか。それは各々の職員が目標をもってモチベーションを維持し、介護を必要としているヒトに寄り添って仕事をすることではないのか。質はそのあとについてくるものではないのか。問われるべき問題だとおもう。
今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。