KOTOBASM

頭の中にある思想は言葉ではない。映像でもない。いうなれば《もやもや》である。その《もやもや》を手先を使って記録することではじめて言葉になる。

江ノ電を救った男

 いまテレビ神奈川では、月曜から水曜の22時に、日本テレビで昭和51年に放送されたドラマ「俺たちの朝」の再放送をやっている。このごろこの時間帯は、日本テレビの懐かしいドラマの再放送が続いている。

 

 「俺たちの朝」の前は「俺たちの勲章」で、そのまた前が「探偵物語」でさらにその前が「傷だらけの天使」といった具合に。たぶんその前あたりは「俺たちの旅」だったのではないだろうか。

 

 「俺たちの朝」の主演は勝野洋で、このちょっと前にあの伝説の刑事ドラマ「太陽にほえろ」のテキサス役を降板している。ちなみにテキサスの殉職した回は、太陽にほえろ史上最高視聴率42.5%を記録している。

 

 もう勝野洋といえば、「太陽にほえろ」のテキサスと、「俺たちの朝」のオッスと、そしてトドメの「リポビタンD」に尽きる。いまも活躍はしてはいるが、昭和50年代に残したインパクトは相当なものがある。

 

 あの当時、日本テレビのドラマで活躍した同世代の俳優でいうと、中村雅俊はいい意味で毒にも薬にもならず、ショーケン松田優作は毒が強い。その反対に勝野洋は毒はないけど、薬にはなる俳優だった。リポビタンDだけに。

 

 イメージが実直すぎて、先に太陽にほえろの新人刑事を演じたショーケン松田優作のような華がないのがちょっと残念ではあるのだが。

 

 「俺たちの朝」は評判がよかったようで1年間続いた。鎌倉が舞台のドラマだったのだが、その人気のおかげで観光地として見直され、廃線寸前だった江ノ電の売り上げが復活するほどだった。さすが薬になる男である。

 

 今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸がつづくかぎり、僕は君のそばにいる。